水中にある32個の荷電コロイド粒子(負の電荷(赤色)を持った粒子が正の符号を持ったイオンの雲をまとったもの)に右向きに電場をかけてた状態です.電気泳動と呼ばれる現象が起こり,コロイド粒子が左向きに移動を開始します.静電ポテンシャルという量を格子点上で計算するのですが,水平な断面上でその値を負(赤)からゼロ(青)で表すと同時に,水の移動速度を矢印の向きで表しました.今回の計算では周期境界条件というものを採用しているので,左(下)から出た粒子が右(上)から入ってきます.
水中に分散した10万個の水より比重の大きい球形微粒子が,下向きにかかった重力により下方向に移動する重力沈降という現象のシミュレーションです.粒子の運動を見やすくするために,初期に上方にある粒子を黄色にして,あとの粒子は赤色にしています.粒子は同じ速度で沈降するのではなく,それぞれ異なる複雑な運動をする様子が見て取れます.これも周期境界条件なので,下から出た粒子が上から入ってきます.
水中のクラミドモナスという微生物を模擬した球形のマイクロスイマーが,上下に設置した平板間でどのように集団で運動するかを調べたものです.最初はそれぞれ無関係に泳いでいますが,動画の途中で密な領域と疎な領域にだんだん分かれ,さらにその密な集団が上下の壁に向かって進行してははね返るという群れのような変わった運動をするのが見て取れます.
指輪を1/4にカットしたような形状の物体が,水中を下方向に落下する様子をシミュレーションしたものです.青白い雲のようなものは物体の周囲の水の速度の大きさを表しています.夜店のコイン落としゲームのように,物体はまっすぐ下に落ちるのではなく,周囲の水の運動と影響しあって複雑な軌道を取る様子が見て取れます.
平らなXY平面上に自発的に回転運動を続ける多数の粒子(クインケローラー)が転がっているシミュレーションです.粒子の色と矢印は粒子の転がる方向を表しています.最初はそれぞれランダムな方向(色と矢印)に転がる粒子ですが,時間の経過とともに衝突を繰り返し,最終的には全ての粒子が規則正しく配列して同じ方向に転がる状態に至ります.
血管に見立てた円管内部を血球成分に見立てた球状粒子が血液(非表示)に分散しながら流れています.血管と血球成分に引力相互作用がない場合,血球成分は血管内の狭窄部の上流側に集積しやすいのに対して(動画下),引力相互作用がある場合は下流側に集積しやすいことが見て取れます(動画上).
最初は薄緑色の均一な流体だったものが,時間の経過とともに赤と青の2成分の流体に分祀する状況をシミュレーションしたものです.流体中には10個のビーズがフレキシブルにつながった鎖状の物体が多数分散しており,さらに外部からせん断流がかけられています.赤と青の流体の分離構造が時間の経過とともに大きくなりつつ,せん断流によって変形を受け,鎖状の物体もせん断流によって流れ方向に引き伸ばされる様子が見て取れます.
最初はオレンジ色の均一な流体だったものが,時間の経過とともに赤と青の2成分の流体に分祀する状況をシミュレーションしたものです.流体中には赤と青の流体の界面を好む球状の物体が多数分散していますが,赤と青の流体の分離構造が時間の経過とともに大きくなるにつれ,青い液滴の表面が粒子で被覆される様子が見て取れます.このような状態をピッカリングエマルジョンと呼びます.
インクの顔料に見立てた粒子を内部に含んだ青色の液体が平板状にあり,乾燥によって液体が蒸発して顔料粒子が平板状に取り残される様子をシミュレーションしたもの.インクジェットプリンターの動作原理を模擬しています.